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– 「企業人格の不在」は誰の責任?:日経ビジネスオンライン変人というのは、事業などで成功すると「天才」とか「風雲児」と呼ばれますが、そうではない場合、「はぐれもの」とか「変わり者」と呼ばれます。この違いはあくまで、成功したかしないかの結果の違いだけです。「孤独感」をいやというほど味わっているという点ではどちらも同じ。
突出した才能を持つ人が、もし、枠組みに当てはまらない自分を生かそうと思ったら、自分が船長になりルールをつくるしか方法がないわけ。創業者自身が組織に適合しにくい「変人」であるから、でも組織はなかなか育たないことがほとんど。だから多くの企業は「ベンチャー」ではなく、「ユニークな」と言われながらあくせくと中小零細という言葉に甘んじて存続しているのです。
しかし、その変人が生み出した事業や商品の力が予想外に市場に歓迎された時、企業は急成長し始める…。そして「株式公開」などのステージアップの時期を迎え、幸か不幸かバランス感覚の優れた番頭社長へのパトンタッチを経て安定成長期へと向かい始める。変人創業者の遺伝子は商品やサービスとなって引き継がれるが、「変人本人」はもっともな言い訳とともに引退の引導を渡され、企業経営に人格づけを担う人は不在になる……その結果が冒頭の本田技研の社長の言葉に集約されているように思えるのです。本田宗一郎さんも、後期になって「ホンダのエンジンをすべて空冷に戻す」と言い出された時に、そのような経緯をたどられたと伺いました。
実は、この話、元ホンダアメリカの社長だった天才エンジニアの入交昭一郎さんから伺ったもの。セガの社長をなさっていた時に、出張先でしみじみと伺いました。本田氏は、エンジンを作る現場で社員らとともに働き、鉄の鋳造を自ら実演しながら教える現場主義の人物だったそうです。東大出のエリートであっても、ヘタクソな社員だったら、スパナで頭を平然とひっぱたくほどの豪傑でいらしたそうです。
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